文献詳細
文献概要
巻頭言
児童精神科医の眠れぬ夜
著者: 飯田順三1
所属機関: 1奈良県立医科大学看護学科人間発達学
ページ範囲:P.1130 - P.1131
文献購入ページに移動このように日本の児童精神医学は一見発展しているかのようにみえるが,実情は必ずしもそうではない。上記の「児童精神科医の眠れぬ夜」という題も,引っ張りだこで忙しくて眠れないという意味ではなく,表面上の注目度とその内実の不一致を考えると眠れないという意味である。第1に日本の児童精神科医は欧米諸国と比べてかなり少なく,近年もそれほど増加していない。英国は児童精神医学会の創立は1971年であり,日本よりも約10年遅れている。それにもかかわらず児童精神科医は約600人いて,1人当たりの20歳未満の人口は27,500人である。フランスでは児童精神科医は約2,000人いる。日本では児童青年精神医学会の認定医は206人(2013年4月現在)しかおらず,1人当たりの20歳未満の人口は16万人を超える。
掲載誌情報