文献詳細
短報
少量のAripiprazole投与と支持的精神療法が有効であった思春期妄想症の1例
著者: 本間正教1 加藤秀明1
所属機関: 1須田病院
ページ範囲:P.135 - P.138
文献概要
自己臭妄想を伴い12年間にわたる引きこもりを呈した29歳,男性の思春期妄想症の治療経過を報告した。支持的精神療法に加えてaripiprazole 6mgの単剤投与をしたところ,症状が著明に改善しaripiprazoleは有効であった。AripiprazoleはdopamineD2受容体への作用のみならず,5-HT1A受容体および5-HT2A受容体への作用も有しており,ドパミン系だけでなくセロトニン系を安定化させる作用によっても症状改善がもたらされた可能性を推測した。思春期妄想症は精神療法的関与が最も大切であるが,個々の思春期妄想症の病態に合った薬物療法も症例を重ね検討していく必要がある。
参考文献
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