文献詳細
文献概要
短報
TRH療法により高圧酸素療法が可能となり改善を得た間歇型一酸化炭素中毒の1例
著者: 大盛航1 豊田麻里1 増田正幸1 板垣圭1 柴崎千代12 中津啓吾1 小早川英夫1 竹林実12
所属機関: 1国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター精神科 2国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター臨床研究部・精神神経科学研究室
ページ範囲:P.145 - P.149
文献購入ページに移動間歇型CO中毒は,高圧酸素療法(HBO)以外に確立した治療法はほとんどない。症例は40歳代男性。練炭自殺企図後に,他院でHBOを導入されたが,不穏のため中止となり,当科転院となった。間歇型CO中毒と診断しHBOを再導入したが,重度の認知症症状のため,中止せざるを得なかった。TRH療法を導入したところ,従命困難などの精神症状が改善し,HBO再開可能となり,最終的に病前の日常生活水準まで改善した。したがって,間歇型CO中毒に対して,HBO導入困難例にはTRH療法が有効な可能性があると考えられた。また,認知機能評価として画像検査以外にFABなどの前頭葉機能検査が有用であり,HBO施行回数の判断指標となった。
参考文献
掲載誌情報