文献詳細
文献概要
資料
統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版(BACS-J)標準化の試み
著者: 兼田康宏1 住吉太幹2 中込和幸3 池澤聰4 大森哲郎5 古郡規雄6 功刀浩7 松尾淳子7 宮本聖也8 中村純9 久住一郎10 岡久祐子11 小林正義12 岡村愛子13 鈴木雄太郎14 管心15 尾崎紀夫16 吉田泰介17 長田泉美18 加藤淳一19 浦田暁菜20 佐久間寛之21 永嶌朋久22 石郷岡純23 船橋英樹24 羽下路子25 赤澤将文26 芳賀大輔27 羽鳥乃路28 原田俊樹29 中谷真樹30 児嶋亮31 上原優子32 松本香子33
所属機関: 1岩城クリニック心療内科 2富山大学大学院医学薬学研究部神経精神医学講座 3国立精神・神経医療研究センター 4鳥取大学医学部脳神経医科学講座精神行動医学分野 5徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部神経情報医学部門情報統合医学講座精神医学 6弘前大学大学院医学研究科神経精神医学講座 7国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部 8聖マリアンナ医科大学神経精神科学教室 9産業医科大学医学部精神医学教室 10北海道大学大学院医学研究科神経機能学講座精神医学分野 11岡山大学大学院医歯薬学総合研究科精神神経病態学教室 12信州大学大学院医学系研究科保健学専攻 13京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学 14新潟大学大学院医歯学総合研究科精神医学分野 15東京大学大学院医学系研究科精神医学 16名古屋大学大学院医学系研究科精神医学・親と子どもの心療学分野 17千葉大学大学院医学研究院精神医学 18養和病院精神科 19秋田県立リハビリテーション・精神医療センター 20岩手晴和病院臨床心理科 21福島県立医科大学医学部神経精神医学講座 22奈良県立医科大学精神医学教室 23東京女子医科大学医学部精神医学講座 24宮崎大学附属病院精神科 25飛鳥病院 26万成病院リハビリテーション課 27さわ病院 28精神医学研究所附属東京武蔵野病院臨床心理科 29こころの医療たいようの丘ホスピタル 30住吉病院 31醍醐病院 32榊原病院 33根岸病院
ページ範囲:P.167 - P.175
文献購入ページに移動認知機能障害は統合失調症の中核症状であり,患者の社会機能予後に対して精神病症状以上に大きな影響を及ぼすと考えられている。我々は簡便で鋭敏な認知機能評価のため,統合失調症認知機能簡易評価尺度(Brief Assessment of Cognition in Schizophrenia;BACS)の日本語版(BACS-J)を作成した。このたび,BACS-J標準化のため健常者709名のデータを収集し,その内,性別および学歴を考慮した292名のデータを解析したので報告する。平均年齢(標準偏差)は36.7(13.5)歳,平均教育年数は14.6(2.2)年であった。結果として,年齢とすべてのBACS-J各下位検査およびcomposite scoreとの間に統計学的に有意な相関を認めた。また,言語性記憶課題においてのみ,女性のほうが男性よりも得点が統計学的に有意に高かった。さらに,教育年数と言語性記憶課題,言語流暢性,ロンドン塔検査,そしてcomposite scoreとの間に統計学的に有意な相関を認めた。本研究結果に基づき,年代および性別を考慮したz-score/T-scoreの算出が可能である。
参考文献
掲載誌情報