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私のカルテから
躁状態の経過中に好訴性の症状を呈した双極性障害の2症例
著者: 大野京介1
所属機関: 1大野クリニック
ページ範囲:P.293 - P.295
文献購入ページに移動はじめに
双極性障害の躁状態のときには,生気感情の亢進に伴い感情,意欲・行動,思考,身体面に症状が現れる。とりわけ意欲・行動面においては活動性が亢進し他人に干渉し,無作法で自己の正当性を頑固に主張する1,4)。今回,躁状態の経過中に,社会正義を唱え,いわゆるクレイマーのごとく好訴的な症例を2例経験したので報告し,共通する特徴などにつき考察する。なお,個人情報保護のため症例の細部には変更を加えた。
双極性障害の躁状態のときには,生気感情の亢進に伴い感情,意欲・行動,思考,身体面に症状が現れる。とりわけ意欲・行動面においては活動性が亢進し他人に干渉し,無作法で自己の正当性を頑固に主張する1,4)。今回,躁状態の経過中に,社会正義を唱え,いわゆるクレイマーのごとく好訴的な症例を2例経験したので報告し,共通する特徴などにつき考察する。なお,個人情報保護のため症例の細部には変更を加えた。
参考文献
1) 渡辺昌祐,江原嵩:躁病の診断と治療.新興医学出版,1986
2) 吉野秀:お客様! そういう理屈は通りません.ベスト出版,2008
3) 高橋三郎,大野裕,染矢俊幸訳:DSM-Ⅳ-TR精神疾患の分類と診断の手引き新訂版.医学書院,2010
4) ジム・フェルプス著,荒井秀樹監訳,本多篤,岩渕愛,岩渕デポラ訳:「うつ」がいつまでも続くのは,なぜ? 星和書店,2011
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