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文献詳細

雑誌文献

精神医学55巻3号

2013年03月発行

文献概要

連載 東日本大震災・福島第一原発事故と精神科医の役割・3

東日本大震災以後の岩手医科大学におけるこころのケア活動について

著者: 大塚耕太郎123 酒井明夫23 中村光1 赤平美津子1 冨沢秀光23 佐藤瑠美子23 小久保ゆみ3 大杉美和子3 齋藤多佳子3 岩戸孝政3 岩戸清香23

所属機関: 1岩手医科大学医学部災害・地域精神医学講座 2岩手医科大学医学部神経精神科学講座 3岩手県こころのケアセンター(岩手医科大学)

ページ範囲:P.297 - P.302

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初動期の1年間

 1.初動期

 岩手医科大学では,附属病院災害対策本部が立ち上げられ,附属病院の災害対策に関することや,岩手県の災害医療支援計画に関することや,沿岸各地の避難所の診療支援の体制を整備した。また,岩手県などからの通常医師派遣要請に関わる医療支援体制にかかわることや長期滞在型の災害拠点病院などでの診療応援に関することや,大学としての行政への要望に関することなどの対応を行うために災害時地域医療支援室が設置され,被災学生の就学支援などについては学生支援対策室が担当した。これらの3組織が岩手医科大学東北地方太平洋沖地震緊急対策会議のもとにまとめられ,総合的な支援の組織体制を整備した。そして,2011年3月15日より3月22日まで,岩手医科大学における災害派遣医療チームにメンタルヘルス関連各科(精神科,心療内科,睡眠医療科)が加わり,岩手県沿岸での災害医療を開始した。そして,初動での災害現場での活動を行いながら,今後のこころのケアの在り方を計画立案した。

参考文献

1) キッチナー・B,ジョーム・A:専門家に相談する前のメンタルヘルス・ファーストエイド―こころの応急処置マニュアル(メンタルヘルス・ファーストエイド・ジャパン訳).創元社,2012
2) 長岡重之,山科満,大塚耕太郎:東日本大震災が精神障碍者に与えた影響の一端―発生直後20日間の入院動向と緊急入院事例の検討から.精神科治療学 27:1245-1250, 2012
3) 大野裕,田島美幸:こころスキルアッププログラム―認知療法・認知行動療法の視点から.(独)国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター,2002
4) 大塚耕太郎,酒井明夫:東日本大震災に対するこころのケア活動・岩手の最前線から(1):岩手医科大学における初動期から初期の支援.こころの科学 159:2-9, 2011
5) 大塚耕太郎,酒井明夫:東日本大震災に対するこころのケア活動・岩手の最前線から(2):中長期的なこころのケアの対策.こころの科学 160:2-15, 2011
6) 大塚耕太郎,酒井明夫,佐藤瑠美子,他:医療支援中のメンタルヘルス,医療支援復帰後のうつ病.Depression Frontier 9(2):45-49, 2011
7) 大塚耕太郎,鈴木友理子,藤澤大介,他:ゲートキーパー養成研修用テキスト第2版.内閣府,2012
8) 大塚耕太郎:2-1-4.メンタルヘルス・ファーストエイドによるゲートキーパー養成研修プログラムについて.精神保健福祉白書2013年版―障害者総合支援法の施行と障害者施策の行方.中央法規出版,p39, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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