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文献詳細

雑誌文献

精神医学55巻4号

2013年04月発行

文献概要

研究と報告

小中学生における欠席行動と教師評定による学校適応との関連

著者: 高柳伸哉1 伊藤大幸1 野田航1 田中善大24 大嶽さと子1 染木史緒1 原田新3 中島俊思1 望月直人1 辻井正次4

所属機関: 1浜松医科大学子どものこころの発達研究センター 2日本予防医学協会 3浜松医科大学医学部児童青年期精神医学講座 4中京大学現代社会学部

ページ範囲:P.355 - P.362

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抄録

 本研究では,小中学生における欠席行動と教師評定による学校適応の関連について検討した。小中学校の児童生徒7,183名(男子3,719名,女子3,464名)を対象に調査を行った。小学校低学年と高学年,中学生の3群に分け,学年群ごとに1学期における欠席日数から分類した3群の各尺度得点を一元配置分散分析によって比較した。その結果,欠席が10日以上の多欠席群は4日以下の一般群より,低学年では学業面と心身面,情緒面の問題,高学年では心身面と情緒面の問題,さらに中学生では心身面をはじめとした学校適応全般の問題が高いことが示された。本研究の結果,学年や欠席日数の多さから欠席行動と関連する要因が異なることが示唆された。

参考文献

1) 荒木田美香子,高橋佐和子,青柳美樹,他:中学生の精神的健康状態とその要因に関する検討―第一報 3年間の縦断調査.小児保健研究 62:667-679, 2003
2) Ibeziako P, Bujoreanu S:Approach to psychosomatic illness in adolescents. Curr Opin Pediatr 23:384-389, 2011
3) 五十嵐哲也:中学進学に伴う不登校傾向の変化と学校生活スキルとの関連.教育心理学研究 59:64-76, 2011
4) 望月直人,大西将史,大西彩子,他:教師評定による小学生用学校適応尺度の開発.小児の精神と神経,投稿中
5) 文部科学省:小中学校の不登校の状況.平成23年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査8月速報値.2012
6) 村上佳津美:不登校に伴う心身症状―考え方と対応.心身医学 49:1271-1276, 2009
7) 大西将史,大西彩子,谷伊織,他:教師評定による中学生用学校適応尺度の開発.小児の精神と神経 52:223-234, 2012
8) Sewell J:School refusal. Aust Fam Physician 37:406-408,2008
9) 髙柳伸哉,伊藤大幸,大嶽さと子,他:小中学生における欠席行動と抑うつ,攻撃性との関連.臨床精神医学 41:925-932, 2012
10) Williams PG:The psychopathology of self-assessed health:A cognitive approach to health anxiety and hypochondriasis. Cogn Ther Res 28:629-644, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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