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研究と報告
乳がん患者の心理状態および適応における病理外来の有効性に関する研究
著者: 永嶋美幸1 谷山清己2 南花枝1 竹林実12
所属機関: 1独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター精神科 2独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター臨床研究部
ページ範囲:P.523 - P.529
文献購入ページに移動根治的手術療法を受けた乳がん患者を対象に,病理外来の受診が患者の心理状態や態度に及ぼす短期的な影響を検討するために,病理外来前後で質問紙調査と面接調査を実施した。病理外来受診群は,治療意欲の高まりや安心感の獲得がなされた可能性があること,HADSが示す状態としての不安が軽減する傾向があることなどから,病理外来は短期的に不安を軽減させる可能性があることが示唆された。一方,MACのAnxious Preoccupation得点は,病理外来前後ともに受診群のほうが,非受診群よりも有意に高かった。したがって,受診群は不安に対して医学的情報を収集したり,健康に良い行動を取り入れるなどして不安を解消する特性があることが可能性として考えられ,医学情報や情緒面の適切なサポートが必要と考えられた。
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