文献詳細
研究と報告
保育記録による発達尺度改訂版(NDSC-R)の標準化―月齢区分ごとの標準値およびカットオフ値の検討
著者: 伊藤大幸1 田中善大23 高柳伸哉1 大嶽さと子1 原田新4 中島俊思1 野田航1 染木史緒1 望月直人1 辻井正次3
所属機関: 1浜松医科大学子どものこころの発達研究センター 2日本予防医学協会 3中京大学現代社会学部 4浜松医科大学医学部児童青年期精神医学講座
ページ範囲:P.549 - P.560
文献概要
保育士評定によって幼児の適応行動の発達と不適応行動の出現の双方を包括的に評価する「保育記録による発達尺度改訂版(NDSC-R)」の月齢区分ごとの標準値およびカットオフ値について,4年間計9回の単一市内全保育所調査によって得られた延べ10,387名のデータに基づいて検討した。天井効果を補正するため,天井効果によって正規性が損なわれている上位数点を除く範囲では正規分布が成立することを仮定し,得点の上限が存在しない場合の平均値および標準偏差を推定した。この推定の標準値に基づき,3水準のカットオフ値を算出したところ,各判定の実測の相対度数と正規分布上の相対度数はおおむね一致し,標準値およびカットオフ値の妥当性が示された。
参考文献
掲載誌情報