icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学55巻6号

2013年06月発行

研究と報告

保育記録による発達尺度改訂版(NDSC-R)の標準化―月齢区分ごとの標準値およびカットオフ値の検討

著者: 伊藤大幸1 田中善大23 高柳伸哉1 大嶽さと子1 原田新4 中島俊思1 野田航1 染木史緒1 望月直人1 辻井正次3

所属機関: 1浜松医科大学子どものこころの発達研究センター 2日本予防医学協会 3中京大学現代社会学部 4浜松医科大学医学部児童青年期精神医学講座

ページ範囲:P.549 - P.560

文献概要

抄録

 保育士評定によって幼児の適応行動の発達と不適応行動の出現の双方を包括的に評価する「保育記録による発達尺度改訂版(NDSC-R)」の月齢区分ごとの標準値およびカットオフ値について,4年間計9回の単一市内全保育所調査によって得られた延べ10,387名のデータに基づいて検討した。天井効果を補正するため,天井効果によって正規性が損なわれている上位数点を除く範囲では正規分布が成立することを仮定し,得点の上限が存在しない場合の平均値および標準偏差を推定した。この推定の標準値に基づき,3水準のカットオフ値を算出したところ,各判定の実測の相対度数と正規分布上の相対度数はおおむね一致し,標準値およびカットオフ値の妥当性が示された。

参考文献

1) Goodman R:The Strengths and Difficulties Questionnaire:A research note. J Child Psychol Psychiatry 38:581-586, 1997
2) 伊藤大幸,望月直人,中島俊思,他:保育記録による発達尺度(NDSC)の構成概念妥当性:尺度構造の検討と月齢および不適応問題との関連.発達心理学研究.印刷中
3) 伊藤大幸,田中善大,高柳伸哉,他:保育記録による発達尺度改訂版(NDSC-R)の開発:信頼性および妥当性の比較.精神医学55:263-272, 2013
4) 厚生労働省:保育所保育指針解説書.フレーベル館.2008
5) 厚生労働省:軽度発達障害児に対する気づきと支援のマニュアル.文部科学省.2008〈http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/boshi-hoken07/〉(2012年10月19日2時15分閲覧)
6) 文部科学省:今後の特別支援教育の在り方について(最終報告).文部科学省.2003〈http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/018/toushin/030301i.htm〉(2012年10月19日2時15分閲覧)
7) 中島俊思,松岡弥玲,谷伊織,他:保育記録による発達尺度の作成とその項目分析および信頼性の検討.小児の精神と神経50:385-398, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら