文献詳細
短報
Sertralineにより薬剤性パーキンソニズムを呈したうつ病の1症例
著者: 三舩義博1 野嶌真士2 岩本崇志2 森田幸孝2 和田健2
所属機関: 1医療法人社団三愛会三船病院 2広島市立広島市民病院精神科
ページ範囲:P.663 - P.666
文献概要
症例は70歳男性。X-1年6月うつ病を発症し,sertralineを75mg/日まで増量したところ,抑うつ症状は改善したがパーキンソニズムが出現したため,50mg/日に減量して軽減した。その後うつ病は寛解を維持していたが,X年2月再発がみられたため,sertralineを75mg/日まで増量したところパーキンソニズムが再度増悪し,当科入院となった。Sertralineを漸減中止しmiltazapineに変薬したところ,抑うつ症状の改善とともにパーキンソニズムも軽快した。プロラクチンの上昇を伴わず,sertralineがドパミン受容体遮断とは異なる病態機序を介してパーキンソニズムを惹起したと推測された。
参考文献
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