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文献詳細

雑誌文献

精神医学55巻7号

2013年07月発行

短報

Sertralineにより薬剤性パーキンソニズムを呈したうつ病の1症例

著者: 三舩義博1 野嶌真士2 岩本崇志2 森田幸孝2 和田健2

所属機関: 1医療法人社団三愛会三船病院 2広島市立広島市民病院精神科

ページ範囲:P.663 - P.666

文献概要

抄録

 症例は70歳男性。X-1年6月うつ病を発症し,sertralineを75mg/日まで増量したところ,抑うつ症状は改善したがパーキンソニズムが出現したため,50mg/日に減量して軽減した。その後うつ病は寛解を維持していたが,X年2月再発がみられたため,sertralineを75mg/日まで増量したところパーキンソニズムが再度増悪し,当科入院となった。Sertralineを漸減中止しmiltazapineに変薬したところ,抑うつ症状の改善とともにパーキンソニズムも軽快した。プロラクチンの上昇を伴わず,sertralineがドパミン受容体遮断とは異なる病態機序を介してパーキンソニズムを惹起したと推測された。

参考文献

study of the effect of sertraline on dopamine metabolism. J Neural Transm 105:247-251, 1998
2) Lambert MT, Trutia C, Petty F:Extrapyramidal adverse effects associated with sertraline. Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry 22:741-748, 1998
3) 仙波純一,松浦雅人,中山和彦,他:第10章抗精神病薬.神経科学的基礎と応用.精神薬理学エッセンシャルズ,第3版.メディカルサイエンスインターナショナル,pp340-467, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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