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巻頭言
「精神科専門医制度」はどこに行くのか
著者: 山内俊雄1
所属機関: 1埼玉医科大学
ページ範囲:P.712 - P.713
文献購入ページに移動精神科専門医制度施行の意義
日本精神神経学会(以下,学会)の下に「学会専門医制に関する委員会」が設置されたのが1961年,その後多くの議論を経て,紆余曲折の結果,33年目の1994年にいわゆる「山内答申」が出され,制度が実際に運用されたのは,それから10年を経た2004年のことである。精神科専門医制の設立に,実に40有余年を要したことになる。
しかし,この期間は学会にとって意義ある時間であったといえよう。この間に,教育の在り方や教育の場の議論から,教育を受けるものの身分保障の問題にいたる広範な事柄が議論され,そこから,いわゆる医局講座制の在り方,大学院の問題,広くは精神医療の在り方や国が行っていた精神保健法(当時)の指定医制度との関係も論じられた。このような議論は学会の在り方,進むべき方向性,ひいては精神医学・医療の在るべき姿について,深化した議論が行われたという意味では,まことに有意義なものであり,そのような流れが「学会の基本理念」に結び付いたともいえよう1)。
日本精神神経学会(以下,学会)の下に「学会専門医制に関する委員会」が設置されたのが1961年,その後多くの議論を経て,紆余曲折の結果,33年目の1994年にいわゆる「山内答申」が出され,制度が実際に運用されたのは,それから10年を経た2004年のことである。精神科専門医制の設立に,実に40有余年を要したことになる。
しかし,この期間は学会にとって意義ある時間であったといえよう。この間に,教育の在り方や教育の場の議論から,教育を受けるものの身分保障の問題にいたる広範な事柄が議論され,そこから,いわゆる医局講座制の在り方,大学院の問題,広くは精神医療の在り方や国が行っていた精神保健法(当時)の指定医制度との関係も論じられた。このような議論は学会の在り方,進むべき方向性,ひいては精神医学・医療の在るべき姿について,深化した議論が行われたという意味では,まことに有意義なものであり,そのような流れが「学会の基本理念」に結び付いたともいえよう1)。
参考文献
1) 山内俊雄:日本精神神経学会の歴史と課題.精神経誌107:947-1002, 2005
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