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救急医療従事者の自殺予防に関する知識と態度
著者: 戸井田真木1 河西千秋23 三宅康史4 岸泰宏5 大塚耕太郎6 荒川亮介7 河嶌讓8
所属機関: 1横浜市立大学医学部医学科 2横浜市立大学医学群健康増進科学 3横浜市立大学医学部精神医学教室 4昭和大学医学部救急医学講座 5日本医科大学武蔵小杉病院精神科 6岩手医科大学災害・地域精神医学講座 7国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 8厚生労働省
ページ範囲:P.53 - P.58
文献購入ページに移動日本では,自殺率が高止まりを続けていることから,自殺対策基本法と自殺総合対策大綱が施行・策定され,厚生労働省は,自殺未遂者対策に関連して救急医療従事者を対象とした自殺未遂者ケアのための研修会を実施している。筆者らは,2012年1月から2013年3月の期間に当該の研修会に参加した224名を対象に質問紙を用いた調査を行い,自殺予防対策に関する正しい知識と適切な態度を問うた。その結果,回答者の多くに,80%以上の正答率が示され,知識の設問に比して態度の設問において有意に高い正答率が得られた。また,自殺の予防可能性については97.0%が好ましい回答を示した。一方で,自殺と精神疾患の関連に関する理解の不足や自殺念慮を確認することへの躊躇などが明らかになった。今後,自殺を低減させていくためには,専門教育・専門職生涯教育における自殺予防の導入,そして効果的な自殺予防教育プログラムの開発が必要と考えられた。
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