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文献詳細

雑誌文献

精神医学56巻10号

2014年10月発行

文献概要

特集 良質かつ適切な医療の提供—改正精神保健福祉法41条の具体化

精神科医療機関と地域の支援機関との地域連携—精神障害者の地域生活への移行を促進するために

著者: 山下俊幸1

所属機関: 1京都府立洛南病院

ページ範囲:P.879 - P.889

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はじめに

 「精神障害者の地域生活への移行を促進するため」に,2013年6月13日,精神保健福祉法(以下,法)が改正され,一部を除き2014年4月1日に施行された。主な改正点は,1)精神障害者の医療の提供を確保するための指針(以下,「指針」)の策定,2)保護者制度の廃止,3)医療保護入院の見直し,4)精神医療審査会に関する見直し,の4点である。改正法41条には「厚生労働大臣は,精神障害者の障害の特性その他の心身の状態に応じた良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針を定めなければならない」と定められた。そこで,「指針」について「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会」において検討され,2014年3月7日に厚生労働大臣告示として公表された。

 今後この「指針」を具体化していくことは,「精神障害者に対する保健医療福祉に携わるすべての関係者」にとって大きな課題であるが,筆者に与えられた役割は,地域連携である。地域連携と一言で言っても多種多様な連携が考えられるが,本稿では,今回の法改正の趣旨である「精神障害者の地域生活への移行を促進するため」の地域連携を中心に論じることとしたい。筆者は現在精神科医療機関に勤務しているが,それまで精神保健福祉センターに勤務していたこともあり,地域での経験,病院での経験をもとに考えてみたい。

参考文献

1) 東美奈子:医療と地域の連携を進める—精神障害者地域移行支援特別対策事業の概要と今後の展望.精神科看護 35:42-48, 2008
2) 一般社団法人支援の三角点設置研究会:医療と福祉の連携が見えるBook.社会福祉法人南高愛隣会,pp42-43, 2014
3) 門屋充郎:帯広・十勝における地域連携.精リハ誌 15:34-41, 2011
4) 厚生労働省:「第1回長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」資料4 長期入院精神障害者をめぐる現状.
5) 厚生労働省:「改正精神保健福祉法に関する業務従事者研修」参考資料 障害保健福祉施策の動向.
6) 寺田悦子:独立型精神科訪問看護ステーションの役割—医療と福祉をつなぐ.病院・地域精神医学 52:229-230, 2010
7) 特定非営利活動法人 地域精神保健福祉機構:変革期における市区町村精神保健福祉施策の現状と発展可能性に関する全国調査 調査報告書.特定非営利活動法人 地域精神保健福祉機構,pp35-40, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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