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文献詳細

雑誌文献

精神医学56巻11号

2014年11月発行

書評

—三宅 薫 著—行って見て聞いた—精神科病院の保護室 フリーアクセス

著者: 今村弥生1

所属機関: 1東京都立松沢病院・精神科

ページ範囲:P.988 - P.988

文献概要

サービスの本質は隠れた所にこそあぶり出される
 本書はタイトルが示す通り,著者が一精神科看護師として,見学可能な日本の精神科病院に足を運び,保護室の構造,あり方を研究した労作です。大判の本の大きな帯には,中井久夫先生からの「こんなにきめ細かな保護室の記録は,世界に例がないんじゃないか?」とのコメントがあります。確かに,「写真で見る保護室」の章において,全国35か所の精神科病院で撮影された大量の資料写真が配置され,詳細に解説されている様を見ると,建築関係の本に近いような印象です。しかし,単なる保護室のカタログにとどまらず,著者による各保護室の印象記や,各施設の看護師による意見(自施設の保護室の良い点,改善すべき点)も記されており,それが最終的に「保護室における生活の援助とは」という著者の意見に結び付きます。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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