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心因性非てんかん性発作を呈し,抑肝散により薬剤整理がなされた軽度精神遅滞の1例
著者: 丸谷俊之12
所属機関: 1東京工業大学保健管理センター 2錦糸町クボタクリニック
ページ範囲:P.319 - P.322
文献購入ページに移動心因性非てんかん発作(psychogenic nonepileptic seizures;PNES)は,心理的要因からてんかん発作様の発作を生じるが,てんかんではなく,発作中の脳波異常もないものである。基本的に除外診断であり,発症から確定診断まで平均7年を要し,その間に本来不必要な薬剤が投与される問題がある4)。患者のIQには幅があるが,100未満から境界知能であることが多い3)。
本稿では,軽度精神遅滞で,複数の抗てんかん薬などを継続的に服用していたが,発症から11年後にPNESと確定診断し,最終的に抑肝散によって薬剤整理がなされた例を報告する。なお,公表については患者から同意を得ており,かつ匿名性の保持のため論旨に影響のない範囲で病歴の一部を改変している。
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