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短報
遷延性うつ状態および繰り返す意識障害を呈したACTH単独欠損症の1例
著者: 板垣圭1 柴崎千代12 小早川英夫1 竹林実12
所属機関: 1国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター精神科 2国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター臨床研究部精神神経科学研究室
ページ範囲:P.709 - P.713
文献購入ページに移動副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)単独欠損症は低Na血症や低血糖など身体症状だけでなく,意欲低下や不機嫌などさまざまな精神症状を呈することがある。遷延性うつ状態および繰り返す意識障害を呈し,寝たきりになるほど著しくADLが低下したが,精査からACTH単独欠損症による症状精神病と診断し,ステロイド補充療法を行ったところ精神症状およびADLの劇的な改善を認め,自宅退院に至った1例を経験した。ACTH単独欠損症に伴う精神症状は内因性精神障害と鑑別が困難な場合があり,診断確定まで長期間要することがあるため,診断に留意する必要がある。また,器質疾患の鑑別には脳波検査が簡便かつ有用であることがあらためて示された。
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