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書評
野村総一郎,中村 純,青木省三,朝田 隆,水野雅文 シリーズ編集 吉野相英 編―《精神科臨床エキスパート》―てんかん診療スキルアップ
著者: 中里信和1
所属機関: 1東北大学・てんかん学
ページ範囲:P.728 - P.728
文献購入ページに移動 てんかんの有病率は約1%であり,医療関係者のみならず一般社会の誰もが知る病名である。しかし,一般社会のみならず医療関係者の多くが,これほど誤解し偏見を持つ疾患も少ないのではなかろうか。ありふれた疾患に誤解と偏見に満ちた医療が施されたのでは,患者や家族はもちろん,医療費を支える国民全体にとっても大きな損失である。
本書は精神科医のために企画された「精神科臨床エキスパート」シリーズの一つである。「精神科医のための教科書」という位置付けなのだが,てんかんを取り上げたという点に驚いた。日本においては,てんかんは精神科医によって診療されていた時代があった。その後てんかんは神経疾患に分類されるようになり,精神科医の「てんかん離れ」が進んだ。それなのに,あえて「精神科医が持つべきてんかん診療技術のminimum requirementの提供を目指す」という方針は称賛に値する。
本書は精神科医のために企画された「精神科臨床エキスパート」シリーズの一つである。「精神科医のための教科書」という位置付けなのだが,てんかんを取り上げたという点に驚いた。日本においては,てんかんは精神科医によって診療されていた時代があった。その後てんかんは神経疾患に分類されるようになり,精神科医の「てんかん離れ」が進んだ。それなのに,あえて「精神科医が持つべきてんかん診療技術のminimum requirementの提供を目指す」という方針は称賛に値する。
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