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文献詳細

雑誌文献

精神医学56巻9号

2014年09月発行

特集 うつ病の早期介入,予防(Ⅱ)

産業衛生の現場での取り組み―特に医療機関におけるストレスチェックの試み

著者: 黒木宣夫1 桂川修一1

所属機関: 1東邦大学医学部精神神経医学講座(佐倉)

ページ範囲:P.747 - P.752

文献概要

はじめに

 職場のメンタルヘルス対策として,精神障害の労災請求件数3)は毎年,過去最高を更新し,2013年度は1,409件(前年度比152件増),そのうち認定件数は436件(前年度比39件の減)であり,4年ぶりに減少したものの,深刻な状況が続いている。

 メンタルヘルス不調の未然防止のためには,1)職場環境の改善などにより心理的負担を軽減させること(職場環境改善),2)労働者のストレスマネジメントの向上を促すこと(セルフケア)が重要であり,2014年6月に労働安全衛生法の一部改正が行われ,ストレスチェック制度が創設された。筆者は2004年度に某大学病院で従業員の自殺企図を契機に相談室を開設し,2010年度より筆者がWEB上でストレスチェック(簡易ストレス調査)を年1回実施しているが,その具体的取り組みと高ストレス者の判定方法に言及し,改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度の概要に関して報告する。

参考文献

1) 富士通:ストレス対策の運用を支援するためのメンタルチェックシステム.厚生労働省「平成11年度作業関連疾患の予防に関する研究―職業性ストレス簡易調査票」.2001
2) 厚生労働省:職場におけるメンタルヘルス対策検討会報告書.2010
3) 厚生労働省労働基準局補償課職業病認定対策室:精神障害等の労災補償状況.2011
4) 厚生労働省労働衛生課:労働安全衛生法の一部改正,ストレスチェック(心理的な負担の程度を把握する検査)制度.2014
5) 黒木宣夫:総合病院におけるメンタルヘルスの実践.精神経誌114:370-374, 2012
6) 下光輝一:職業性ストレス簡易調査票を用いたストレスの現状把握のためのマニュアル―より効果的な職場環境等の改善対策のために―平成14年~16年度厚生労働科学研究費補助金労働安全衛生総合研究.2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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