文献詳細
短報
双極性障害の維持療法中にアンジオテンシン2受容体拮抗薬を併用しリチウム中毒となり気分安定薬を変更した2例
著者: 大谷恭平12 貫井祐子1 吉川正孝1 正司健太郎1 志賀弘幸1 関由賀子1 今井公文1
所属機関: 1国立国際医療研究センター病院精神科 2西神戸医療センター精神・神経科
ページ範囲:P.795 - P.798
文献概要
炭酸リチウムは双極性障害の治療薬として第1選択となっており,ガイドラインでも推奨されている。一方で炭酸リチウムは治療域と中毒域が近くリチウム中毒を起こしやすい。長期維持療法中に他の併用薬との相互作用からリチウム中毒となるケースがみられる。今回ARBを追加された後,リチウム中毒となった2症例を経験したため報告する。リチウム中毒は,血中濃度のモニタリングや相互作用,初期症状を患者や家族に説明することで早期発見が可能である。ARBとリチウム中毒の関係性や作用機序,対応についても検討を行った。
参考文献
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