文献詳細
研究と報告
こころの健康早期支援事業の実践から—中学生を対象とした統合失調症に関する授業の実施の意義
著者: 太田順一郎1 川上真紀1 土器悦子1
所属機関: 1岡山市こころの健康センター
ページ範囲:P.1021 - P.1029
文献概要
中学生を対象に実施した「こころの健康早期支援事業」について報告する。①精神疾患に対する正しい知識の学習による誤解や偏見の防止,②生徒たちが精神疾患による不安や不調を生じた際に速やかに援助希求行動がとれること,を目標として「統合失調症」に重点をおいた授業を行った。実施校は3年間でのべ4校。精神保健・医療の専門家の協力のもと,教員自らが学習指導案を作成した。また授業の中で当事者が体験を語る時間を持った。実施前,教員には「疾患を正しく生徒に伝えられるか」という不安がみられたが,職員研修や当事者との出会いにより,授業に対する不安も軽減された。また生徒にとっても当事者の生の声を聞くことで偏見や差別について考える有用な機会となった。
参考文献
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