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短報
突発的な呼吸困難感を認めパニック障害と診断されていたが側頭葉てんかんであることが判明した1例
著者: 久田絵美1 大島智弘1 郷治洋子1 加藤悦史1 田所ゆかり1 兼本浩祐1
所属機関: 1愛知医科大学精神神経科
ページ範囲:P.1031 - P.1033
文献購入ページに移動パニック発作を疑う際には背景に何らかの身体疾患を認める場合があり注意が必要であるが,その一つとして側頭葉てんかんの単純部分発作が挙げられる。一般に側頭葉てんかんでは自動症を伴う複雑部分発作を認めることが多く,また半数以上に単純部分発作があると言われており,上腹部不快感,既視感,未視感のほか自律神経症状として動悸,立毛,呼吸困難が,精神発作として恐怖感,離人感などが挙げられる1)。しかし,複雑部分発作や強直間代発作を認めずに単純部分発作のみのケースも存在するため,診断に苦慮する場合がある。今回我々は,突発的な呼吸困難感を認め近医にてパニック障害と診断されていたが側頭葉てんかんであることが判明した1例を経験したため,若干の文献的考察を含めて報告する。なお,報告にあたって個人情報を特定できないよう配慮した。
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