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東日本大震災後3か月間における自殺企図11症例の検討—福島第一原発の最寄りの中核総合病院救命救急センター受診後の入院例
著者: 池本桂子1
所属機関: 1いわき市立総合磐城共立病院リエゾン科(精神科)
ページ範囲:P.1035 - P.1039
文献購入ページに移動2011年3月11日の東日本大震災後の3か月間,福島第一原子力発電所最寄りの中核総合病院である,いわき市立総合磐城共立病院(819床)の3次救命救急センターを受診後入院し,精神科へコンサルトされた自殺企図症例11例(男性2例,女性9例)のうち,女性は男性の4.5倍を占め,年齢的には20代が6例と半数を占めた。神経症圏の20代女性の過量服薬と自傷が多く(4例),中高齢者(3例)では,縊頸・農薬服毒など成功率の高い手段が用いられた。状況は,過労と家庭内トラブルの表面化(4例),異性問題(3例),飲酒(3例),農業・自営業の先行きと放射能への不安(3例),不眠の長期化と抑うつ(3例),不安障害・心的外傷後ストレス障害(PTSD)の再燃・発症(3例)などであった。女性の自殺企図増加,ストレス関連障害の割合が多かったことは特記すべき点であった。
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