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連載 精神科の戦後史・9【最終回】
認知症,5つの誤解を生み出した歴史—ジャーナリストの立場から
著者: 大熊由紀子12
所属機関: 1福祉と医療・現場と政策をつなぐ「えにし」ネット・志の縁結び係&小間使い 2国際医療福祉大学大学院医療福祉ジャーナリズム分野
ページ範囲:P.1069 - P.1079
文献購入ページに移動「私は訊ねました。『熱力学の第2法則について何人が説明おできになりますか』。気まずい沈黙が流れました。『シェイクスピアのものを何か読んだことがありますか』という程度の質問をしたに過ぎないのに」
C.P.スノーの『二つの文化と科学革命』2)のサワリです。科学哲学の卒業論文「生命観の変遷」の章の1つを,「生命とは,熱力学第2法則に逆らうこと」とした私には忘れられない一節です。
朝日新聞の論説委員を経て,大阪大学大学院,国際医療福祉大学大学院の教職についた私には,もう1つの「二つの文化の不仲」が待ち構えていました。「アカデミズムとジャーナリズムは,近代が生み落とした不仲の兄弟のようなものなのかもしれない。互いの作法や思考の筋道を信用できないでいる」と言われる,その深い不信感です。
ジャーナリストの世界では,「まるで学者みてえな文章だな」というのは最大のケナシ言葉です。一方,研究者の皆さんの「これじゃあ,ジャーナリストが書いたみたいだ」は最大の侮蔑の言葉なのでした。
というわけで,以下の文章,本誌の読者の皆様からは顰蹙を買うかもしれませんが,お許しください。
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