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文献詳細

雑誌文献

精神医学57巻3号

2015年03月発行

書評

—神庭重信 総編集,神尾陽子 編集—DSM-5を読み解く1—神経発達症群,食行動障害および摂食障害群,排泄症群,秩序破壊的・衝動制御・素行症群,自殺関連 フリーアクセス

著者: 長尾圭造1

所属機関: 1長尾こころのクリニック

ページ範囲:P.240 - P.240

文献概要

 分類学には論理的な科学性はない。したがって分類はいかに役に立つかというもっともらしさ,つまり蓋然性や妥当性が問われるので,その時の事情や背景を基に恣意的にならざるを得ない。4回目の改訂となった今回のDSMは,特に子どもの分野では,近年の疫学,分子遺伝学,脳画像,家族・双生児研究,認知精神科学,環境・文化の影響による発達精神病理の進歩の影響を受け,大幅な見直しがなされた。その結果,診断名が増え,アセスメントと尺度や面接法も示された。
 DSM-5の分類には診断名,診断的特徴,有病率,年齢による経過(症状の発展と経過),危険要因と予後要因,文化・性別に関する診断的事項,機能的結果(予後など),鑑別診断,併存症などが記されている。このそれぞれには,臨床経験と研究を基に議論を重ねた結果が書かれているため,そのコトバは重い。このため,これが作られてきた背景,その診断の意図,利用法,使い方などは,ベテランによる解説が何より望ましい。DSM-5に習熟するためにはガイドラインが必要となる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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