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短報
Clozapineにより修正型電気けいれん療法から離脱可能であった治療抵抗性統合失調症の1例
著者: 大盛航1 板垣圭12 中村元信1 竹林実12
所属機関: 1国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター精神科 2国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター臨床研究部精神神経科学
ページ範囲:P.301 - P.304
文献購入ページに移動Clozapineは,治療効果発現までに時間を要することや副作用に関する種々の制約が多い。一方,修正型電気けいれん療法(ECT)は統合失調症において緊張病症状や急性増悪に対して速効性の効果を有する場合があるが,効果が持続しない問題点がある。症例は70歳代の治療抵抗性統合失調症の女性。ECTで劇的に幻覚妄想が改善するが,再発を繰り返すため維持ECTを適用した。しかし,効果が減弱し1週間しか維持できない状態となった。Clozapineを導入したところECTの離脱に成功し,その後clozapineのみで自宅にて長期間寛解状態を保つことが可能となった。ClozapineとECTをうまく使いこなすことが,治療抵抗性統合失調症の治療ストラテジーの一つとなる可能性が示唆された。
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