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書評
—傳田健三 著—子どものうつ 心の治療—外来診療のための5ステップ・アプローチ
著者: 大森哲郎1
所属機関: 1徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部精神医学分野
ページ範囲:P.309 - P.309
文献購入ページに移動 著者の傳田健三氏は,子どものうつ病の臨床現場と学会を牽引してきた人である。2002年出版の「子どのうつ病—見逃されてきた重大な疾患」では,それとして認知されていなかった状態を,うつ病として見る診方を提示した。その後も,子どもの双極性障害や若者のうつ病に関して発言を続けている。
その著者が,自ら実践する子どものうつ病への精神療法を1冊にまとめた。新患診察に30分,再患診察に15分という日常診療の時間制約のなかで,多くの工夫を凝らしながら,子どもと真剣に向き合う様子がありありと伝わってくる。子どもの自己表現に配慮し,家族への対応を欠かさず,認知行動療法や対人関係療法の技法を適宜取り込み,ときには非言語的治療を導入し,しばしば薬物療法を併用する。特定の治療法に立脚するのではなく,持てる技法を駆使して患者ごとに最善を模索する立場なのである。
その著者が,自ら実践する子どものうつ病への精神療法を1冊にまとめた。新患診察に30分,再患診察に15分という日常診療の時間制約のなかで,多くの工夫を凝らしながら,子どもと真剣に向き合う様子がありありと伝わってくる。子どもの自己表現に配慮し,家族への対応を欠かさず,認知行動療法や対人関係療法の技法を適宜取り込み,ときには非言語的治療を導入し,しばしば薬物療法を併用する。特定の治療法に立脚するのではなく,持てる技法を駆使して患者ごとに最善を模索する立場なのである。
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