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—ジャック・ラカン著,新宮一成 訳—精神分析における話と言語活動の機能と領野—ローマ大学心理学研究所において行われたローマ会議での報告 1953年9月26日・27日 フリーアクセス
著者: 兼本浩祐1
所属機関: 1愛知医科大学精神科学講座
ページ範囲:P.486 - P.486
文献購入ページに移動いくぶん挑発的なものいいかもしれないが,精神分析への一般精神科医の関心は今や死滅しつつあるといってよいのではないか。ある雑誌で認知行動療法と精神分析的精神療法の棲み分けといったテーマで特集を組んだ時に,認知行動療法を専門とする臨床心理士の大家の方から,「認知行動療法は,精神分析を歴史的に止揚して次の段階に進んだ次世代の技法なのだから,棲み分けなどと言うのは全くの時代錯誤だ」という抗議をいただいたことが記憶に新しい。今世紀に入り根本的なパラダイムシフトを来した精神医学にとって,脳科学と接続可能で,エビデンスの蓄積可能な認知行動療法が精神分析的精神療法を駆逐しつつあるのはある意味必然的な成り行きとも言える。
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