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文献詳細

雑誌文献

精神医学57巻7号

2015年07月発行

文献概要

特集 自殺対策の現状

学校における自殺予防教育の実践からみえてきたもの

著者: 阪中順子1

所属機関: 1四天王寺学園小学校中学校

ページ範囲:P.539 - P.545

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子どもの自殺の現状と理解
 最近の20年,生徒(中高校生)の自殺者数は年間300人前後であるが,少子化のため自殺率は上昇している(図1)。また,児童(小学生)の自殺者数の平均(2000〜2013年)は8.4人であったが,2014年は18人と最悪の数値となった。
 このように,児童生徒の自殺率は上昇傾向を示し,自殺関連行動である自傷行為を繰り返したり,不適応から死を考えたりする子どもの存在は特殊なケースとして片づけることのできない状況にある。未来ある子どもたちが自ら命を絶つということほど悲惨なことはなく,周囲への影響も計り知れないものがある。

参考文献

1) Nock MK, Green JG, Kessler RC, et al:Prevalence, correlates, and treatment of lifetime suicidal behavior among adolescents:Results from the national comorbidity survey replication adolescent supplement. JAMA Psychiatry:70:300-310, 2013 http://archpsyc.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1555602(2015.4.3アクセス)
2) 阪中順子:中学校における自殺予防プログラムの開発的研究 兵庫教育大学修士論文,2000
3) 阪中順子:学校における自殺予防教育.高橋祥友,竹島正編:自殺予防の実際.永井書店,pp119-128, 2009
4) 高橋祥友:自殺の危険(第3版)臨床的評価と危機介入.金剛出版,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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