icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学57巻7号

2015年07月発行

文献概要

特集 自殺対策の現状

自殺の周辺・メディアの「習性」学

著者: 高橋康弘1

所属機関: 1秋田大学

ページ範囲:P.553 - P.559

文献購入ページに移動
はじめに
 物事に向き合った時に,書かない理由,書けない言い訳から考え始めたら,メディアはその果たすべき役割を失う。どうすれば記事にできるかを常に考える。これが大切だと習った。新聞,そしてテレビの世界もそうなのであろう。報じるべきことの根幹は「人」であり「暮らす」(生きる)ということ。いわゆる自殺に関する報道は,その意味においてメディアが向き合うべき大きなテーマの一つである。しかし,難しい。自殺問題を報じることの意義(重要さ)はいくらでも列記できる。デメリットも同様だ。
 自殺をいかに防ぐか。この視点に立った時に,医療現場で最前線に立つ精神科医と,メディアは共通の言語(意識)をどこまで持ち合わせているのだろうか。メディアの習性を探ることを通じて,臨床医との距離を縮めることを試みたい。

参考文献

1) 朝日新聞秋田支局編:自殺.自殺率全国一・秋田からの報告.無明舎出版,2000
2) 朝日新聞秋田支局編:自殺の周辺.新聞記者の取材ノートから.無明舎出版,2001
3) 朝日新聞事件報道小委員会:事件の取材と報道2012.朝日新聞出版,2012
4) 岡田力:報道記者の原点.リーダーズノート出版,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?