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文献詳細

雑誌文献

精神医学57巻7号

2015年07月発行

文献概要

研究と報告

大うつ病性障害に対する反復性経頭蓋磁気刺激法(rTMS)の臨床経験

著者: 松原六郎1 宮地雅之1 小林仁志1

所属機関: 1公益財団法人松原病院

ページ範囲:P.561 - P.565

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抄録
 大うつ病性障害に対する反復性経頭蓋磁気刺激法(rTMS)の臨床経験について報告する。HAM-D(17)スコア20点以上の7症例に対しrTMSを施行した結果,SDSおよびHAM-D(17)の両指標において抗うつ効果が示された。さらにrTMS終了1か月後においてもその効果は持続した。また,rTMS施行による副作用などの問題となるような有害事象は認められず,安全性が高い治療法であることが示唆された。rTMSは,薬剤抵抗性などの難治性大うつ病性障害に対する有用な治療法のひとつとなり得る可能性があると考えられる。

参考文献

1) 鬼頭伸輔:経頭蓋磁気刺激によるうつ病治療と脳機能画像.精神経誌 114:601-606, 2012
2) George MS, Lisanby SH, Avery D, et al:Daily left prefrontal transcranial magnetic stimulation therapy for major depressive disorder:A sham-controlled randomized trial. Arch Gen Psychiatry 67:507-516, 2010
3) 松本英之,宇川義一:臨床神経生理学会脳刺激の安全性に関する委員会:磁気刺激法の安全性に関するガイドライン.臨床神経生理学 39:34-45, 2011
4) 中村元昭:反復性経頭蓋磁気刺激法によるうつ病治療.精神経誌 14:1231-1249, 2012
5) 野田賀大:大うつ病性障害の左背外側前頭前野への反復性高頻度経頭蓋磁気刺激法による定量脳波増強効果についての研究.2012(http://hdl.handle.net/2261/53542)
6) O' Reardon JP, Solvason HB, Janicak PG, et al:Efficacy and safety of transcranial magnetic stimulation in the acute treatment of major depression. Biol Psychiatry 62:1208-1216, 2007
7) Fizgeralda PB, Oxleya TJ, Lairdb AR, et al:An analysis of functional neuroimaging studies of dorsolateral prefrontal cortical activity in depression. Psychiatry Res 148:33-45, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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