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抄録
うつ病に罹患し休職した労働者は,職場復帰が困難となることも多いが,医療機関で行われるリワークプログラムの経験が職場復帰や就労継続に有用であると報告されている。しかし,医療機関では各々の職場環境について情報収集が困難であったり,職場復帰後のフォローなどについて限界が想定される。筆者が産業医を務める自治体では,事業所内でリワークプログラムを開始後3年が経過し,そのメリットや課題が明らかになってきた。事業所内リワークプログラムは,病前からの労働者の状況把握,職場介入や復職後のサポートが比較的容易であるが,不調時の対処,職場内での個人情報の配慮などには困難を感じた。医療機関との密な連携が必要と考えた。
うつ病に罹患し休職した労働者は,職場復帰が困難となることも多いが,医療機関で行われるリワークプログラムの経験が職場復帰や就労継続に有用であると報告されている。しかし,医療機関では各々の職場環境について情報収集が困難であったり,職場復帰後のフォローなどについて限界が想定される。筆者が産業医を務める自治体では,事業所内でリワークプログラムを開始後3年が経過し,そのメリットや課題が明らかになってきた。事業所内リワークプログラムは,病前からの労働者の状況把握,職場介入や復職後のサポートが比較的容易であるが,不調時の対処,職場内での個人情報の配慮などには困難を感じた。医療機関との密な連携が必要と考えた。
参考文献
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