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短報
アルツハイマー病との鑑別を要した左前部視床梗塞後の軽度認知障害例
著者: 植田賢1 石川智久2 前田兼宏3 柏木宏子4 遊亀誠二5 福原竜治5 池田学25
所属機関: 1独立行政法人国立病院機構菊池病院 2熊本大学大学院生命科学研究部神経精神医学分野 3医療法人カジオ会八代病院 4国立精神・神経医療研究センター 5熊本大学医学部附属病院神経精神科
ページ範囲:P.81 - P.85
文献購入ページに移動我々は左前部視床梗塞後に軽度の認知機能障害を呈した症例を経験した。頭部MRI所見で,tuberothalamic artery領域の左前部視床梗塞像が認められたため,診断は,左前部視床梗塞による軽度認知障害を考慮した。一般的に,視床病変では一側性でも軽度の記憶障害を来し,左側では言語性,右側では非言語性の記憶障害を生じるとされる。ただし,本例では言語性記憶の障害は軽度であり,臨床症状や画像所見などから,アルツハイマー病による軽度認知障害との鑑別が必要であった。
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