文献詳細
私のカルテから
下肢のしびれから発症したパーキンソン病の1例
著者: 林眞弘1 堺奈々2
所属機関: 1医療法人社団浅ノ川桜ヶ丘病院精神科神経科 2石川県立高松病院精神科
ページ範囲:P.873 - P.877
文献概要
Parkinson's disease(PD)は運動症状に加え,自律神経症状や精神症状,認知機能障害などの非運動症状を呈することが多い疾患である。またレビー小体病の概念の提唱3)以降,PDに伴う精神症状への関心は非常に高くなってきている。しかしうつや睡眠障害などと比べ,しびれや痛みという非特異的な感覚障害への関心は乏しい。PDとうつ病の合併頻度が20〜40%とされているのに対し,PDに合併する痛みは83%に至るとの報告2)もある。
今回,50歳台前半のPD患者が左下肢のしびれ,痛みを主訴に精神科,神経内科を受診し,当初適応障害,神経表現性障害と診断を受けた症例を経験したので,他のPD患者(自験例)を含めて報告する。
発表に際し,患者へ報告の趣旨を説明し承諾を得た上で,匿名性にも十分な配慮を行った。
参考文献
掲載誌情報