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雑誌目次

雑誌文献

精神医学58巻11号

2016年11月発行

雑誌目次

巻頭言

新たな認知症施策と精神科医の役割

著者: 新井哲明

ページ範囲:P.892 - P.893

 世界の認知症患者数は現在4,700万人と推計され,2030年には7,500万人を超えると予想されている。認知症は今や世界共通の喫緊の課題であり,2013年12月にはロンドンでG8認知症サミットが開催され,各国が協力して取り組むことが確認された。日本では,2014年11月に行われた認知症サミット後継イベントにおいて,内閣総理大臣より厚生労働大臣に認知症施策を加速させるための戦略策定の指示が出され,2015年1月27日,厚生労働省はこれまでの認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)に変わる新戦略として認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)を策定した。その基本的な考え方は,「認知症の人の意思が尊重され,できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指す」こととされ,そのための具体策として,①認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進,②認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供,③若年性認知症施策の強化,④認知症の人の介護者への支援,⑤認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進,⑥認知症の予防法,診断法,治療法,リハビリテーションモデル,介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進,⑦認知症の人やその家族の視点の重視,という7つの柱が設定されている。
 認知症の専門医療に携わる精神科医として,いずれの柱についても果たすべき役割はあるが,特に②の役割は大きいと思われるので自らの研究成果を交えて検討したい。その基本的な考え方は,「容態の変化に応じて医療・介護等が有機的に連携し,適時・適切に提供することであり,そのために早期診断・早期対応を軸とし,行動・心理症状(behavioral and psychological symptoms of dementia;BPSD)や身体合併症等が見られても,医療機関・介護施設等での対応が固定化されないように,最もふさわしい場所で適切なサービスが提供される循環型の仕組みを構築する」こととされている。この医療・介護などが連携した循環型の仕組みを構築するために認知症の専門医療に期待される役割については,昨年厚生労働省老人保健健康推進等事業の一つとして「認知症の人の行動・心理症状や身体合併症対応など循環型の医療介護等の提供のあり方に関する調査研究事業」において検討され,筆者も作業部会委員として参加させていただいた。特に「BPSDへの適切な対応」については,精神科医の果たす役割が期待されているが,課題も多い。

特集 認知症の人の認知機能障害,生活障害,行動・心理症状の構造

特集にあたって

著者: 粟田主一

ページ範囲:P.895 - P.895

 認知症の行動・心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia;BPSD)という用語は,1996年の国際老年精神医学会のコンセンサス会議において提唱されたものである。同会議において,BPSDは,「認知症患者に頻繁にみられる知覚,思考内容,気分または行動の障害による症状」と定義され,それは,「①疾病過程の不可欠の要素であり,②本人,社会,保健医療サービス,認知症と関わるすべての人にとって深刻な問題になっているが,③その多くは緩和することが可能であり,それによって本人の苦悩,家族の負担,認知症に関連して生じる費用を軽減させることができる」とされ,それを実現するための国際的な研究の必要性が強調された(Finkel SI, et al:1996)。
 それから20年の歳月が流れた。その間に認知症の自然科学的研究および社会科学的研究は確かに進展した。多くの先進諸国において,認知症施策は国家の優先課題と位置付けられるようになり,投入される国家予算は着実に増えた。さらに,近年では,認知症とともに生きる本人の権利を尊重し,認知症とともに暮せる社会(Dementia Friendly Community)の創成に向けた活動の萌芽もみられるようになった。

認知症の人の認知機能障害,生活障害,BPSD(行動・心理症状)の心理社会的構造

著者: 高橋幸男

ページ範囲:P.897 - P.903

はじめに
 2015年1月に策定された認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の基本的な考え方として「認知症の人の意思が尊重され,できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現をめざす」とされている。いうまでもなく“認知症の人”が主人公である。認知症の人にやさしい地域,すなわち認知症の人に寄り添いながら認知症の人が認知症とともによりよく生きていくことができる社会づくりが推進されているのであり,そのための医療や介護の仕組みが必要だと言っているのである。しかし,認知症に関する情報は,本人主体の医療や介護が大切だと言いながら,認知症という“疾患”に関する脳科学的な情報がその大半を占めていて,認知症の人の想いや生活のあり様についての情報は限られている。最近になって,若年性認知症の当事者の人たちが語り始めたけれども,まだ十分知られていないことが多い。今まさに認知症の人の想い(意思)が尊重された医療や介護が問われているのである。
 筆者らは,1993(平成5)年に激しいBPSD(行動・心理症状)のある認知症の人を対象にした重度認知症患者デイケア(以下,デイケア)を開設した。以来23年有余にわたって,集団精神療法的なかかわりを行い,認知症の人の思いや生活を受け止める医療や介護を行ってきたが5,6),認知症の人たちから多くのことを教えられた。
 本稿では,認知症の人たちはどういう想いで日々暮らしているのか,認知症の人と周囲の人との関係性はどうなっているのかなど認知症の人の想いや生活のあり様を見つめる中で,認知機能障害や生活障害,そしてBPSDに至る心理社会的構造を論じることにしたい。

アルツハイマー型認知症の認知機能障害,生活障害,BPSDの構造

著者: 武地一

ページ範囲:P.905 - P.913

はじめに
 アルツハイマー型認知症(AD)の臨床症状全体の構造としては,まずADの神経病理学ならびに病態生理学的な基本病態をもとに認知機能障害が生じ,それと密接に関連して生活障害が起こる。この関係はプレクリニカル期から軽度認知障害(MCI)期を経てAD期,そしてAD期の中でも軽度,中等度,重度と長い時間の経過の中で続いていく。その中でも診断の際に特に注目されることになるMCIから軽度認知症の時期の認知機能障害と生活障害の側面については,研究成果の積み重ねと臨床的実践をもとに最近改訂されたNIA-AAおよびDSM-5の診断基準を参照しながらみていきたい1,9,20)。一方でBPSD(behavioral and psychological symptoms of dementia)については,ADの経過中,ほとんどの患者に生じるとされておりADの主要な症状であるが,認知機能障害や生活障害の関係ほど平行して生じるわけではない。しかし,BPSDは環境因子などと関連しつつADの病態と密接に関係しながら生じる。それは,患者やその家族の生活の質を損ない,本人・家族にとっても社会にとっても大きな損失を招く7)。ADの症状は簡単に述べるとこのような基本となる相互関係の構造を持っているが,個々の患者でさまざまな要因による相違があり,可能な範囲で,その点についても述べていく。基本構造の中で,生活障害についてはさまざまな支援により補うことが可能であること,BPSDは疾患本来の病理,本人や家族の心理的要素,地域の人々が持つ偏見など多くの環境要因により修飾されることなどから,臨床とケアの研究・実践がもたらした結果として症状の基本構造は年々少しずつではあるが望ましい方向に転換してきている。多くの医師は,ADを個人の疾患として診断・治療するといった従来の医学モデルでの対応だけではなく,さまざまな割合で生活障害への眼差しを持ち,環境要因へのアプローチを行っていると思われるが,生活モデルかつ関係性の疾患として捉え直すとその症状の構造に大きな差が生まれる可能性がある。さらに近年,認知症ワーキンググループなどで認知症の本人が主導して自分たちの認知症体験を語り,その思いを一般市民や施策に届ける動きや認知症カフェなどで役割を担っていく姿をみかけるようになってきた。これらの動きは症状の基本構造を捉える医療関係者や市民の意識にさらなる変更を加えていくであろう。

レビー小体型認知症の認知機能障害,生活障害,行動・心理症状の構造

著者: 長濱康弘

ページ範囲:P.915 - P.925

はじめに
 レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies;DLB)は初老期・老年期に発症し,幻視に代表される特有の精神症状およびパーキンソニズムを示す神経変性疾患である。DLBは剖検で確定診断された老年期認知症の15〜20%を占め,アルツハイマー病(Alzheimer disease;AD)に次いで多いとされる。
 DLBの臨床診断基準を表1に示す15)。進行性の認知機能低下に加え,中核的特徴のうち2つがあればprobable DLB,1つあればpossible DLBと診断する。また中核的特徴の1つ以上に加えて示唆的特徴が1つ以上確認されればprobable DLBと診断できる。診断基準ではDLBは認知機能障害がパーキンソニズムより先行ないしほぼ同時に出現するものとされ,明らかなパーキンソニズム出現後12か月以降に認知症が出現した場合は認知症を伴うパーキンソン病(Parkinson's disease with dementia;PDD)と診断される。しかしDLBとPDDは臨床・病理学的に連続性を有するため,両者を包括してレビー小体病(Lewy body disease)と呼ぶことが認められている。レビー小体の主要構成蛋白はα-シヌクレインであり,主にグリア内にα-シヌクレインが蓄積する多系統萎縮症とともにα-シヌクレイノパチー(α-synucleinopathy)と称される。
 他の認知症とDLBの大きな違いはDLBが“全身病”である点であろう。DLBでは大脳と脳幹を含む中枢神経系に神経脱落とレビー小体の出現をみるが,レビー小体は脳・脊髄ばかりでなく,心臓,消化管,膀胱,皮膚などの末梢自律神経系にも認められる。病変の分布によって症状の表現型が異なり,認知機能障害以外の症状が優勢となる例もあるため,非典型的な症例では誤診されやすい。また治療・ケアにおいては,認知機能障害や行動・心理症状(behavioral and psychological symptoms of dementia;BPSD)のみならず,身体症状も含めた総合的対応が必要となる。

前頭側頭型認知症の認知機能障害,生活障害,行動・心理症状

著者: 品川俊一郎

ページ範囲:P.927 - P.931

はじめに—前頭側頭型認知症の概要
 前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia;FTD)とは,前頭葉および側頭葉前方部に病変の首座を持ち,特徴的な行動症状や言語症状を呈する神経変性疾患群であり,以前はPick病と呼ばれていた病態である11)。FTDは多くの背景病理を持つヘテロジニアスな疾患群であり,臨床的には最も多くを占める行動型FTD(behavioral variant FTD;bvFTD),そして原発性進行性失語(primary progressive aphasia;PPA)の2亜型,すなわち意味性PPA(semantic variant PPA;svPPA)と非流暢性PPA(non-fluent variant PPA;nfvPPA)に大分される。
 FTDという用語は広義ではこれらを包括する臨床的な用語として用いられ,狭義ではbvFTDと同義として用いられる。一方で病理学的な概念としては前頭側頭葉変性症(frontotemporal lobar degeneration;FTLD)という用語が用いられる。本稿では原発性進行性失語は別項で述べられるので,bvFTDと同義の臨床症候群としてFTDという用語を用いる。
 FTDは特に高齢者ではADに比して患者数が少ないため,これまでは比較的稀な疾患であると考えられてきた。実際には若年発症例においては決して稀な病態ではなく13),欧米では65歳以下においてはADと同程度の発症率と有病率を持つとされる8)。比較的若年で発症すること,後述のような行動症状が病像の主体であること,そして疾患自体の認知度が低いことなどから,FTDは介護者の負担が非常に高い疾患である9)。そのようなFTDの認知機能障害,行動・心理症状,そして生活障害の構造について本稿では述べていく。

原発性進行性失語症の認知機能障害,生活障害,行動・心理症状

著者: 鈴木匡子

ページ範囲:P.933 - P.939

はじめに
 言語は,ヒトが他の動物とは大きく異なる機能である。言葉を持つことにより,複雑なコミュニケーション,抽象的思考,高度に発達した社会の構築などが可能となった。さらに,文字の獲得が,時代を超えた知恵・知識の継承,文化の発展につながった。
 したがって,ヒトが言葉を失うと,社会生活にさまざまな障害が生じる。失語症は大脳の器質的損傷により,言語に障害を来した状態である。1861年にBrocaがタンタンとしか話せない非流暢性失語の報告をし,1874年にWernickeが流暢性失語を報告して以降,失語症という症状が知られるようになった。当初は主に脳血管障害などの局所脳損傷による症例の報告であったが,1892年にはPickが失語を主症状とする変性性認知症について記載している14)。これが,典型例ではないものの,左側頭葉の萎縮が目立つ原発性進行性失語症の最初の報告と考えられる。
 本稿では,変性性認知症における原発性進行性失語症について,言語障害の特徴とそれに関連した生活障害,行動・心理症状の概要を述べる。

嗜銀顆粒病の認知機能障害,生活障害,行動・心理症状

著者: 横田修 ,   長尾茂人 ,   池田智香子 ,   三木知子 ,   寺田整司 ,   山田了士

ページ範囲:P.941 - P.951

はじめに
 嗜銀顆粒(argyrophilic grain)とはタウ蛋白が神経細胞の突起に蓄積した病変である。嗜銀顆粒の出現した状態は嗜銀顆粒病(argyrophilic grain disease;AGD)と呼ばれる。最初に報告されたAGDの臨床像は認知症状態である5)。しかしその後,初老期以降のいくつかの精神科状態像と関連している可能性や,AGDが他の変性疾患に合併して出現することで臨床特徴を修飾し得ることが明らかとなり,さらに他の変性疾患と病態レベルで関連する可能性も示唆されている。本稿ではAGDにおける認知機能障害,精神症状,生活障害を理解する上で重要と思われる基礎と臨床の知見を整理する。

血管性認知症の認知機能障害,行動・心理障害および生活障害の構造

著者: 中野倫仁 ,   小林清樹 ,   岩本倫 ,   牧野愛恵 ,   河西千秋

ページ範囲:P.953 - P.958

はじめに
 血管性認知症(vascular dementia;VaD)は,血管障害(脳血管のみならず頸動脈なども含む)に起因する認知症の総称であり,アルツハイマー型認知症(ATD)などの変性性認知症とならんで,代表的な認知症とされてきた。従来,本邦では脳卒中が多かったこともあり,VaDの発症予防と治療が認知症対策の主要なテーマであった。VaDの最大の危険因子である高血圧症の治療の進歩により,脳出血に起因するVaDは減少してきた。その後,脳梗塞に起因するVaDも減少し,VaD全体の有病率も減少することが予想された。しかしながら,最近発表されたコホート研究である久山町研究4)によれば,VaDの有病率は横ばいであることが判明し,期待を裏切る結果となった。高血圧症の寄与が減った分,糖尿病(耐糖能異常を含む)の関与が増加したことなどが考えられている4)。したがって,認知症臨床におけるVaDの重要性が低下することは当面考えにくいことになり,「認知症にやさしい地域づくりの推進」のためにVaDの特性を理解した上での対応が必要である。

短報

出産後に“spike-wave stupor”を呈した1例

著者: 永井康 ,   鈴木正泰 ,   金森正 ,   内山真

ページ範囲:P.959 - P.963

抄録
 軽度の意識障害を背景に多様な精神症状を示し,脳波上棘徐波複合を認める状態は“spike-wave stupor”と呼ばれる。今回,出産後に同状態を呈した1例を経験した。症例は32歳女性。第1子出産後,5日目に軽度意識混濁,困惑,思考散乱が出現し,脳波上両側同期性棘徐波複合を認めた。臨床症状自体は経過観察のみで翌日には改善したが,脳波所見は持続し,もともと今回の状態に関連した脆弱性を有している可能性が考えられた。産後に発症したspike-wave stuporの報告はこれが初めてである。Spike-wave stuporの病態については,未だ不明な点が多く,今後さらなる症例の蓄積が必要である。

書評

—児玉知之 著—戦略としての医療面接術—こうすればコミュニケーション能力は確実に向上する

著者: 新城名保美

ページ範囲:P.964 - P.964

 『戦略としての医療面接術』のタイトル通り,医療面接の著作です。しかしながら,従来の「医療面接」をテーマに扱った書籍とは異なり,著者自身の実際の経験に基づき深く洞察されており,通読してなるほど,そういう切り口もあったか,と深く感心しました。われわれが普段の臨床で応対する「患者・その家族」—その個性や社会環境などの背景要素の多様性に注目しています。
 「うまくいかない医療面接」を経験した際,医師としては,「あの患者・患者家族は変だから…」と自分を含め他の医療スタッフに説明付けようとしがちですが,うまくいかなかった医療面接は,われわれが医療面接上必ず確認しておかなければならなかった手順や態度を怠ったことが原因であったかもしれない。この著作はそれを実臨床で陥りがちな,さまざまなシチュエーションを提示することで,抽象論に終始することなく具体的に提示してくれています。通読後,今まで自分が経験してきた医療面接の失敗例を思い返しても,本書にて指摘されている「やってはいけないこと」がいくつも当てはまり,内省した次第です。

—倉知正佳 著—“脳と心”からみた統合失調症の理解

著者: 篠崎和弘

ページ範囲:P.965 - P.965

 優れた総説を探し当てて読むことを若い後輩には薦めています。折々には単行本の精読も薦めますが,英文だと反応が鈍いものです。著者自ら統合失調症の「古典的精神医学と現代の精神医学の橋渡し的役割をはたしているかもしれない」(p.279)とあとがきに記された本書は,精読を強くお薦めする単行本です。また幸いに日本語です。母国語でこの高いレベルの本が読めるのはこの国に生まれた僥倖と言えるでしょう。若い医師たちや,研究をめざす医師はもちろん,臨床で活躍している医師にも,読んでいただきたい本です。
 臨床家の中には,研究段階の生物学的知見が臨床に必要か,と疑問を持たれる方もおられるでしょう。それに対する答えはこうです。臨床家は「統合失調症は患者や家族の人生に深い影響を及ぼす。予後良好な疾患にするためには何をすればよいのだろうか」(p.ⅲ)と工夫を凝らしていることでしょう。また統合失調症の全体像が未解明であること,薬物治療が満足できるレベルに達してないことにも歯がゆい思いをされると思います。それゆえ,不完全な知識と技術で臨床をしている,という危うさを熟知しておくことは,専門家としての責任であり,また治療の選択肢を増やしてくれるはずです。この本が「理解」と題されているのはそのような意味もあってではないでしょうか。

論文公募のお知らせ

テーマ:「東日本大震災を誘因とした症例報告」

ページ範囲:P.925 - P.925

「精神医学」誌では,「東日本大震災を誘因とした症例報告」(例:統合失調症,感情障害,アルコール依存症の急性増悪など)を募集しております。先生方の経験された貴重なご経験をぜひとも論文にまとめ,ご報告ください。締め切りはございません。随時受け付けております。
ご論文は,「精神医学」誌編集委員の査読を受けていただいたうえで掲載となりますこと,ご了承ください。

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次号予告

ページ範囲:P.966 - P.966

編集後記

著者:

ページ範囲:P.970 - P.970

 今年も猛暑だったが大雨や台風とともに一気に秋が来て,はや余すところ2か月を切ってしまった。春には熊本で,つい先月には鳥取でと大きな地震もあり落ち着かない自然が続き,また夏には障害者施設で類を見ない殺傷事件があった。いずれも精神医療が関係することで我々には気の晴れない出来事であるが,読者諸賢は深まりゆく秋をいかがお過ごしだろうか。
 さて,本号は認知症特集で,新井哲明先生による巻頭言も期せずして特集の導入になるような認知症についてであり,どれも読み応えがあった。高橋幸男先生による日常診療における“勘どころ”から始まり,6つの病型についてそれぞれの病態の最新知見の解説に加え,生活障害,行動・心理症状まで俯瞰した,いわば“痒い所に手が届く”有用な内容になったのではないかと思われる(自画自賛で面映ゆいが)。

基本情報

精神医学

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-126X

印刷版ISSN 0488-1281

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