文献詳細
短報
血液透析導入後に気分障害を発症し電気けいれん療法(ECT)を施行した1例
著者: 大賀健市1 栗田茂顕2 増田正幸14 大盛航1 板垣圭13 中村元信1 橋本賢2 森脇克行2 竹林実13
所属機関: 1国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター精神科 2国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター麻酔科 3国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター臨床研究部精神神経科学 4医療法人比治山病院精神科
ページ範囲:P.219 - P.223
文献概要
血液透析患者に電気けいれん療法(ECT)を施行した報告例は本邦ではない。症例は60歳台女性。透析導入後より抑うつ状態を呈し,薬物抵抗性で亜昏迷状態となり,透析にも拒否的となったためECTを導入した。Nicardipineで血圧管理を行い,非脱分極性筋弛緩薬の使用で安全にECTを施行できた。血清K値に変化を認めなかったため,脱分極性筋弛緩薬によるECTも可能であった。慎重に術中管理を行えば,透析患者においてもECTは治療選択肢となり得ると考えられた。
参考文献
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