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短報
措置入院となったWilson病による器質性精神障害の1例
著者: 黒岩小百合1 佐々木央我1 原田久1 野口美和1 橋本知明1 山口登1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学神経精神科学教室
ページ範囲:P.231 - P.234
文献購入ページに移動粗暴行為により措置入院となったWilson病(Wilson's disease;WD)による器質性精神障害の1例を報告した。症例は,10歳でWDと診断された25歳男性。隣人への粗暴行為で2回目の措置入院となり,後方移送で当院へ転院した。他交流少なく自閉的で,広汎性発達障害の併存も疑った。ウェクスラー成人知能検査では言語性/動作性知能指数の乖離を認めたが,発達歴や他の心理検査で発達障害を示唆する質的特徴はなかった。攻撃性は,環境因やWDの行動障害が影響したと考えられた。薬物療法と心理的介入により,本人と家族への疾病理解が深まり,衝動性が抑えられ,退院することができた。
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