文献詳細
特集 インターネット依存の現在
文献概要
はじめに
この40〜50年の間に,子どもの外遊び空間は激減し,外遊びが減り,夜型ライフスタイルとなり,室内でテレビ・ゲーム機・携帯電話・スマートフォン(以下,スマホ)などの電子メディア(以下,メディア)に接することが多くなった。
2005年頃から,休日夜遅くまでビデオやゲーム機に接し,倦怠感を訴える小学生がクリニックを受診するようになった。近年,スマホ・ゲーム機に深夜まで接し,体調不良を訴える中学生,夜遅くまでテレビ・ビデオ・親のスマホに接して,元気がない園児もみられる。幼児のいる家庭で1日中テレビがついて,待合室で幼児の傍らで,スマホやゲーム機の操作に夢中で子どもと向き合わない親もみられる。
メディア機器の多様化・高機能化が進み,子どもの遊びや生活空間の中に浸透し,インターネット(以下,ネット)上でのトラブル,睡眠不足など生活リズムの乱れ,依存などさまざまな問題が顕在化している。メディア接触の長時間化と低年齢化が進み,長時間接触と短時間接触の二極化もみられる。
ネット社会の中で,メディアの子どもの心身への影響について理解し,予防・治療の観点から,対応することが求められている。
この40〜50年の間に,子どもの外遊び空間は激減し,外遊びが減り,夜型ライフスタイルとなり,室内でテレビ・ゲーム機・携帯電話・スマートフォン(以下,スマホ)などの電子メディア(以下,メディア)に接することが多くなった。
2005年頃から,休日夜遅くまでビデオやゲーム機に接し,倦怠感を訴える小学生がクリニックを受診するようになった。近年,スマホ・ゲーム機に深夜まで接し,体調不良を訴える中学生,夜遅くまでテレビ・ビデオ・親のスマホに接して,元気がない園児もみられる。幼児のいる家庭で1日中テレビがついて,待合室で幼児の傍らで,スマホやゲーム機の操作に夢中で子どもと向き合わない親もみられる。
メディア機器の多様化・高機能化が進み,子どもの遊びや生活空間の中に浸透し,インターネット(以下,ネット)上でのトラブル,睡眠不足など生活リズムの乱れ,依存などさまざまな問題が顕在化している。メディア接触の長時間化と低年齢化が進み,長時間接触と短時間接触の二極化もみられる。
ネット社会の中で,メディアの子どもの心身への影響について理解し,予防・治療の観点から,対応することが求められている。
参考文献
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