文献詳細
文献概要
「精神医学」への手紙
内因性うつ病の「身体症状」と「生気悲哀」について
著者: 田中恒孝1
所属機関: 1松南病院精神科
ページ範囲:P.95 - P.95
文献購入ページに移動一方,Schneider3)は循環病(従来診断による躁うつ病)性うつ病は反応性うつ病と異なり,身体感覚や身体感情に基づく生気悲哀vitale Traurigkeit(頭痛など自律神経症状を含む生命感情の抑うつ)に起因しているという。うつ病の生気悲哀に注目した記述は少なくなく治療的には「励まし」は無効で,抗うつ薬や電気けいれん療法が有効である3,5,6,7)。筆者の調査6)では循環病者35例中約31%が頭痛・頭重を示し,内因性うつ病にも躁うつ病性うつ病にも頭痛が認められた。躁うつ病は10〜30歳台に初発し,内因性・単極性うつ病は初老期〜老年期に初発するが,うつ病相における生気悲哀の内容は同一で,再発時にみられる生気悲哀内容は症例ごとに同一性・一様性が認められた。
参考文献
掲載誌情報