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文献詳細

雑誌文献

精神医学59巻1号

2017年01月発行

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編集後記 フリーアクセス

ページ範囲:P.102 - P.102

文献概要

 「精神医学」は,研修医の頃から長年にわたって読み親しんできた医学雑誌であり,2017年の新年の第1号の編集後記を記すことができるのは,私にとってはたいへん光栄なことです。
 本号の巻頭言で,岩手医科大学の大塚耕太郎先生が,テレビでしばしば放映される医療ドラマの構図を説明した上で,「精神医療にあてはめて考えれば,症状を緩和するだけでなく,患者の主体性を大切にする,取り戻す,ということが中心的命題である」と記しています。また,大牟羅良氏の著書『ものいわぬ農民』を引用して,「(著者は,貧困にあえぐ寡黙な農民たちが)いろり端では自分の話を語りはじめることを知り,いつかはものが言える日が来ることを願っていた。こころの声を大切にし,それぞれの物語を聞くことは,主体としての主人公の尊厳を守ることであろう」と述べています。私は,この言葉の中に,精神科医の日々の仕事の本質があるように思われ,深く感銘を受けました。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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