文献詳細
特集 「統合失調症」再考(Ⅰ)
文献概要
KraepelinやBleulerはもとより,Arietiの力動的解釈(“Interpretation of schizophrenia”)の時代からも離れ,1980年代から始まったDSMの急速な流布と生物学的研究の進展によって,統合失調症の概念や治療は大きく変化してきた。この間に,Schneiderの一級症状がDSM-5から消えたことにも象徴されるように,観察と記述に基づく統合失調症の重要な症状や用語は脇に押しやられようとしている。
生物学的研究が盛んになる前は,統合失調症は精神病理学のみならず精神医学の高峰であり,精神科医はこぞって言葉によって深い森に分け入り,理解し,解釈しようとしてきた。日本におけるその成果は『分裂病の精神病理 全16巻』(東大出版会1972〜1987年)とそれを発展的に引き継いだ『分裂病の精神病理と治療 全8巻』(星和書店1988〜1997年)とにまとめられている。
生物学的研究が盛んになる前は,統合失調症は精神病理学のみならず精神医学の高峰であり,精神科医はこぞって言葉によって深い森に分け入り,理解し,解釈しようとしてきた。日本におけるその成果は『分裂病の精神病理 全16巻』(東大出版会1972〜1987年)とそれを発展的に引き継いだ『分裂病の精神病理と治療 全8巻』(星和書店1988〜1997年)とにまとめられている。
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