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文献詳細

雑誌文献

精神医学59巻2号

2017年02月発行

文献概要

資料

地域におけるひきこもり支援の力の向上に関する一考察—岩手県A地域のひきこもり支援機関とスタッフへのアンケート調査を通して

著者: 川乗賀也1 目良宣子2 西谷崇3 山本朗3

所属機関: 1岩手県立大学社会福祉学部 2山陽学園大学 3和歌山大学保健センター

ページ範囲:P.153 - P.157

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抄録
 現代日本では,ひきこもりに対する社会的関心が集まっている。地域でひきこもり支援を担う支援機関とそのスタッフは,柔軟性を持ち,ひきこもり支援特有の難しさに向き合うことを余儀なくされる。本研究では,一地域の支援機関の現状と課題について支援機関とスタッフを対象としたアンケート調査を行い,地域の支援の力を向上させるための検討を行った。その結果,重要な課題として,スタッフの能力向上の重要性が確認できた。またスタッフにはバーンアウトのリスクが想定され,それへの対応も必要と思われた。支援機関とスタッフに助言し活動をコーディネートする人材や,官民一体となった連携等が,支援の力を向上させるために必要と思われる。

参考文献

1) 独立行政法人労働政策研究・研修機構:職場におけるメンタルヘルス対策に関する調査. http://www.jil.go.jp/institute/research/2012/documents/0100.pdf.2012(2016年6月28日閲覧)
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3) 井出草平,鈴木太,目良宣子,他:SFS-AY(Social Functioning Scale Adolescence and Young Adult Version.社会的機能尺度:思春期・青年期版)http://www.ssofas.com/_old/2.33/about.html(2016年6月28日閲覧)
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6) 国立精神・神経センター精神保健研究所精神保健計画部:「ひきこもり」についての相談状況調査報告書.2001
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8) 内閣府政策統括官(共生社会政策担当):若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)報告書.2010
9) 齋藤万比古:ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン.厚生労働科学研究費補助金(こころの健康科学研究事業)「思春期のひきこもりをもたらす精神科疾患の実態把握と精神医学的治療・援助システムの構築に関する研究」報告書.pp89-155, 2010
10) Wandersman A, Duffy J, Flaspohler P, et al:Bridging the gap between prevention research and practice:The interactive systems framework for dissemination and implementation. Am J Community Psychol 41:171-181, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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