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巻頭言
技術革新の時代
著者: 髙橋三郎123
所属機関: 1滋賀医科大学精神医学講座 2埼玉江南病院 3獨協医科大学
ページ範囲:P.192 - P.193
文献購入ページに移動1926年(大正15年)卒の松沢病院院長H先生は,宴会ともなると芸妓の三味線伴奏で延々と鉄道唱歌を披露した。「汽笛一声新橋を はや我が汽車は離れたり 愛宕の山に入り残る 月を旅路の友として」と歌いだすと,SLの擬音を口三味線で入れ伴奏する人もいて,速くなったり遅くなったり停車したりして東海道を汽車で旅するように歌い上げた。それはその時代のお座敷芸だった。聴き手の我々は早く終わってほしいと思うばかりであるのに,5分間ずっと歌い続け,やっと14節の旧東海道御殿場に着き「はるかに見えし富士の嶺は はや我がそばに来たりたり 雪の冠雲の帯 いつも気高き姿にて」で下車して頂いた。
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