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文献概要
特集 ADHDをめぐる最近の動向
特集にあたって
著者: 金生由紀子1
所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科こころの発達医学分野
ページ範囲:P.195 - P.195
文献購入ページに移動 注意欠如・多動症(attention-deficit/hyperactivity disorder;ADHD)は,不注意,多動性,衝動性で特徴付けられ,DSM-5で設定された神経発達症群(neurodevelopmental disorders)に含まれる。わが国では,DSM-5で新たに位置付けられる前から,自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder;ASD)と並ぶ代表的な発達障害とされてきた。かつては成長に伴って軽快することが多いとされていたが,最近では成人期になってから不適応を生じて初めてADHDと診断される場合も少なからずあるとされている。そして,小児期のADHDと成人期のADHDが本当に連続しているのかという問題も提起されるようになった。
また,かつてはカナー型ともいえる典型的な自閉症とADHDは異なることが強調されてきたが,スペクトラムという考えが浸透するにつれてその関係に変化が生じて,DSM-5ではADHDとASDは併存可能となった。さらに,ADHDの病態としては実行機能と報酬系の障害が中心とされたが,それ以外の機能についての検討も進んでおり,それに伴って情動や衝動制御の問題にも関心が持たれている。
また,かつてはカナー型ともいえる典型的な自閉症とADHDは異なることが強調されてきたが,スペクトラムという考えが浸透するにつれてその関係に変化が生じて,DSM-5ではADHDとASDは併存可能となった。さらに,ADHDの病態としては実行機能と報酬系の障害が中心とされたが,それ以外の機能についての検討も進んでおり,それに伴って情動や衝動制御の問題にも関心が持たれている。
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