文献詳細
文献概要
研究と報告
頭蓋内腫瘍におけるKorsakow症状群
著者: 大橋博司1 浜中淑彦1 稲本雄二郎1 中江育生1
所属機関: 1京都大学精神科
ページ範囲:P.49 - P.55
文献購入ページに移動健忘症状群ないしKorsakow症状群についてはPick(1915)にはじまりGrünthal(1923),Bürger-Prinz u. Kaila(1930),van der Horst(1932)などを経てJ. Delay(1949),Conrad(1953),あるいは最近のZeh(1961)などにいたる精神病理学的研究があり,主としてその基本障害が論題の中心となつていた。他方,脳解剖学的側面からはGamper(1928)などによるAlkoholkorsakowの乳頭体説から最近ではPehfield一派による側頭葉刺激,切除などの脳外科的知見にもとづく記憶問題への接近など少なからぬ研究がある。これらの諸問題については本誌の「展望」にも発表があつた<大橋博司(1961),保崎秀夫・岡本正夫(1961)>。
今回はわれわれが観察した脳腫瘍例を資料としておもに臨床脳病理学的な見地から本病状群に着干の考察を加えたい。
掲載誌情報