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研究と報告
向精神薬による錐体外路反応について
著者: 森温理1
所属機関: 1東邦大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.63 - P.68
文献購入ページに移動I.はじめに
現在,多数の向精神薬が精神疾患の治療に使用されているが,とくにChlorpromazine以来つぎつぎに開発されているフェノチアジン誘導体に属する薬物はしだいに強力なものとなつており,そのmg/potencyが高まるにつれ,薬物による錐体外路反応は増加する傾向がみられる。
これら薬物による錐体外路反応の出現頻度は使用薬物の種類,量および個体側の条件などによつてさまざまであるが,Ayd1)の報告によると平均3,775例中1,472例で38.9%を示し,かなり高率であるということができる。
薬物による錐体外路反応をとりあげた報告はDelay2),Freyhan3)4),Ayd1),Haase5)6),McGeer7)を初め数多いが,われわれも臨床精神薬理の問題の1つとしてこの点に関心をもち,その形態,薬物との関係,治療などについて2,3の知見を発表した8)9)。今回は,最近における経験をまとめ若干の考察をこころみたので報告する。
現在,多数の向精神薬が精神疾患の治療に使用されているが,とくにChlorpromazine以来つぎつぎに開発されているフェノチアジン誘導体に属する薬物はしだいに強力なものとなつており,そのmg/potencyが高まるにつれ,薬物による錐体外路反応は増加する傾向がみられる。
これら薬物による錐体外路反応の出現頻度は使用薬物の種類,量および個体側の条件などによつてさまざまであるが,Ayd1)の報告によると平均3,775例中1,472例で38.9%を示し,かなり高率であるということができる。
薬物による錐体外路反応をとりあげた報告はDelay2),Freyhan3)4),Ayd1),Haase5)6),McGeer7)を初め数多いが,われわれも臨床精神薬理の問題の1つとしてこの点に関心をもち,その形態,薬物との関係,治療などについて2,3の知見を発表した8)9)。今回は,最近における経験をまとめ若干の考察をこころみたので報告する。
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