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文献詳細

雑誌文献

精神医学6巻1号

1964年01月発行

動き

精神衛生活動における研究と組織とについて

著者: 金子仁郎2

所属機関: 1Marburg大学精神神経科 2大阪大学教授

ページ範囲:P.75 - P.78

文献概要

 公立と民間の精神衛生団体の協力は実際活動のみならずこの分野の研究にも役にたつ。しかし研究は多くの現存する精神衛生機関の第一の関心事ではない。それゆえにわれわれは精神衛生活動における研究というものの意義について自ら考えてみなくてはならない。
 mental healthには狭義のものと広義のものがあり,mental hygieneにも狭義のものと広義のものがある。先のもの(狭義)は治療やリハビリテーションに医学的および精神医学的助けを必要とする精神病患者や障害者に関係しており,この意味ではmental hygieneは社会精神医学と同義語である。
 広渡のmental healthとInental hygieneの意味と目的はすべての人の身体的,精神的,および社会的福祉であり,WHOの理念に沿うものである。ここでは医学および精神医学的な問題は一義的ではなく——あるいはむしろ考慮されないで——,各専門分野にわたる問題である。
 mental healthおよびmental hygieneのこれら2つの考えかたは重複し,補い合うものでこれは方法論的に必要であり,また有意義なことである。いずれの場合にも基礎的および応用的研究が必要である。われわれはあらゆる種類の精神障害の原因や特性を明らかにしなくてはならず,また種々の精神障害や異常行動をなおしまた予防する目的と義務を有する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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