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研究と報告
失語に伴う失行・失認について
著者: 大橋博司1 中江育生1
所属機関: 1京都大学精神科
ページ範囲:P.907 - P.910
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失語症論の発展はBrocaとJacksonの対立以来,局在論と全体論の論争によつて推進されてきたということもできよう。しかしながらこの二つの傾向から独立した,純粋に経験論的な立場の存在も無見できない5)。今回の報告はこのいわば第3の立場に立つもので,われわれがこれまでに経験し,観察した症例から,失語の合併症状,とくに失行・失認症状について若干の展望をこころみたい。従来このような報告が比較的少なかつたと思われるからである。
失語症論の発展はBrocaとJacksonの対立以来,局在論と全体論の論争によつて推進されてきたということもできよう。しかしながらこの二つの傾向から独立した,純粋に経験論的な立場の存在も無見できない5)。今回の報告はこのいわば第3の立場に立つもので,われわれがこれまでに経験し,観察した症例から,失語の合併症状,とくに失行・失認症状について若干の展望をこころみたい。従来このような報告が比較的少なかつたと思われるからである。
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