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文献詳細

雑誌文献

精神医学6巻12号

1964年12月発行

研究と報告

覚醒・閉眼時の眼球運動—正常者と陳旧分裂病患者の比較

著者: 島薗安雄1 安藤克己1 坂本信義1 田中恒孝1 風間興基1 江口富之1 仲村肇1

所属機関: 1金沢大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.919 - P.926

文献概要

Ⅰ.はじめに
 1953年,Aserinsky & Kleitmanは,眼球運動をelectro-oculogram(EOG)として記録し,眼球運動には遅い動き(slow eye movement)と速い動き(rapid eye movement)の2つのタイプが観察されることを発表した2)3)。かれらの論文4)は,覚醒時の観察についても若干はふれているが,主として睡眠中の運動について述べたものである。ことに,一夜の睡眠中に速い眼球運動の現われる時期rrapid eye movement period)が間歇的に起こるというかれらの所見は,睡眠中の夢体験との関連において多くの人々の関心をよびおこした。6)7)10)14)16)〜19)23)24)またこれと上司様のrapid eyemovement periodはサル29),イヌ5)20)21),ネコ8)11)〜13)30),ウサギ9)など,各種の動物の睡眠中にも観察されている。
 睡眠中の眼球運動については,このように多くの研究があるが,覚醒・閉眼時の運動については,これを精神生理学的な観点から扱つたものは少ない。わずかにLorens & Darrow(1962)15)が暗算に伴う変化を観察し,Amadeo & Shagass(1963)1)が,注意や催眠との関係においてこれを論じているにすぎない。しかもかれらの観察はいずれも速い眼球運動のみについて述べている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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