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文献詳細

雑誌文献

精神医学6巻3号

1964年03月発行

研究と報告

発作性異常脳波を伴い,精神分裂病様症状を呈した1問題児について

著者: 木戸又三1 金田良夫1

所属機関: 1東京医科歯科大学神経精神医学教室

ページ範囲:P.183 - P.187

文献概要

 強い被害念慮と脳波上cardiazol低閾値を示す母を持ち,知能的に境界線児で,日頃行為問題児である14才の少年に,一過性の経過で体感異常を主とした幻覚,被害妄想,不安恐怖感,精神運動興奮等の症状からなる精神分裂病様病像が発呈した。臨床的にはてんかん発作がないのに,脳波上には汎性両側同期性非定型spike and wave complexを示す発作波が認められた。この診断について種々考察したが,この少年の発呈した分裂病様病像については,器質的脳疾患,てんかん,精神分裂病あるいは非定型精神病など色々な疾患が考えられ,結局現状ではどれとも決め難く,今後なお長期にわたつて経過を観察する必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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