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紹介
—V. B. Mountcastle Ed.—Interhemispheric Relations and Cerebral Dominance
著者: 野上芳美12
所属機関: 1日本大学医学部神経科 2駿河台日大病院スピーチ・クリニック
ページ範囲:P.323 - P.330
文献購入ページに移動さて,本書は大脳半球間の関連と半球優位性とをテーマとして,1961年Johns Hopkins大学で開催された学会の発表を集録したものであつて,上述の点から興味をそそられる内容を含んでいる。通常半球優位性という語を耳にするとき,われわれにはBrain,Hécaen,Penfieldなどの名が想起されるが,この書物の執筆者は臨床家よりも基礎医学や心理学の畑の人が多いのも特色である。本書を忠実に紹介することは,本誌の読者に興味がないことかもしれないが,一方,臨床面に重点をおいて紹介するとすれば本書の特色をそこなうことになる。むしろ本書の大部分を占めている生理学的ないし心理学的なアプローチこそ今後の脳病理学の一つの大きな方向(神経心理学neuropsychology)を示しているのではないかと思われる。従来のこの種の業績をみても,かなり実りの多いもので,筆者の個人的な感想では臨床的症候学とならんで重視すべきもののように思う。ゆえに比較的平均して紹介を試みることにしたが紙数の関係上満足な紹介ができないであろうことをお許しねがいたい。本書は11章から成り,これらは前記の1961年の学会におけるsessionにしたがつて4部門に大別され,各部門ごとに討論が挿入された形式をとつている。ここでもその内容にしたがつてsessionごとにとりまとめて記すことにする。
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